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米国人男性、娘引き渡し請求審判 日本の祖母側、争う姿勢
出典:平成27年7月10日 産経新聞
当時婚姻関係にあった日本人女性が娘を無断で連れ去ったなどとして、米国人男性(48)が娘の養育権と身柄の引き渡しを求めた第1回審判が9日、東京家裁で開かれ、相手側が争う姿勢を示した。男性の日本側弁護士が同日、記者会見で明らかにした。会見では、米国に住む男性のビデオメッセージが上映され、「早く家族としての結びつきを取り戻したい」と訴えた。
日本側弁護士によると、女性が死去しているため相手側は娘を育てている女性方の祖母で、「(娘は)健やかに成長している。(男性は)養育権者として不適格だ」と主張したという。
この問題では、米国人男性に無断で女性が日本国内で娘を連れ去ったとされ、その後離婚が成立し女性が娘の親権者となったが、自殺。女性方の祖母が後見人となり娘を育てている。
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■米国務省スーザン・ジェイコブス氏「離婚しても両親で育てる形ある」
日本人の親が配偶者に無断で米国から日本へ子供を連れ去っている問題について、米国のスーザン・ジェイコブス大使(国務省児童問題担当特別顧問)は産経新聞の単独インタビューに応じ「『子供を返して』と言う前に『子供を連れ去らないで』と言いたい」などと話した。主な内容は次の通り。
--日本人の元妻に娘を連れ去られたとして、米国人男性が娘の養育権と身柄の引き渡しを求める審判を東京家裁に申し立てた
「日本政府との会合で議題にする案件の一つだ。すべて難しい案件だが、ぜひ解決したいと思っている」
--米国務省は今年5月、国際的な子供の連れ去りに関する初の年次報告書をまとめた。日本の評価は
「日本でハーグ条約が発効した昨年4月から昨年末までに、親が米国から日本へ子供を連れ去ったとの報告が6件ある。それ以前に発生した50件以上が未解決だ。日本は発生件数の多い国と位置づけられている」
--日本の発生件数が多い理由はなにか
「日米で国際結婚する人が多いからだと思う。結婚生活が破綻した後、子供の最善の利益を考えることを忘れた親が連れ去っているのではないか」
--米国の世論は
「子供が連れ去られたときの反応はどの国も同じだろう。子供の親も友人も親族もとても怒っているし、一般市民も怒っている」
--日本政府の対応は
「ハーグ条約が適用される案件では、すばらしい協力関係を築けている。ハーグ条約発効前の案件でも、日本政府の協力が必要だ」
--米国の法律に基づく制裁を日本に加えるべきだと主張する下院議員もいる
「国務省は各国が法に従って対応しているか評価している。米国はそれに基づいて行動するだろう」
--配偶者にDV(ドメスティック・バイオレンス)をした親には子供を会わせない方がいいか
「賛同しかねる。子供との関係を奪うのはよくない。DVは許されるべきではないが、判定が難しいきらいもある。保護措置を講じた上で会わせるべきだ」
--日本へのメッセージは
「米国では(両親が離婚しても)子供が両親を知ることができ、両親がそろった形で育てられるのが最善と考えられている。以前は違ったが、今ではその方が調和が生まれるという考えだ。『子供を返して』と言う前に『子供を連れ去らないで』と言いたい」(池田証志)
更新 2015-07-11 (土) 00:29:42
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